2013年4月23日火曜日

釜無川 埋もれた花水坂

また別の日のこと。
国道を走っているときにいつも気になっていたポイントに子供を連れていってみた。


なにかというと山の斜面にぽつりと立つ神社

訪れてみると…
そこは観音堂だった。
「大堂観音 400年前の昔、花水坂に沿った絶壁の中腹の洞窟内に小さな観音像がまつられていた。
霊験新たかで不敬者には祟りがあり善行者には慈悲深いものといわれた。
横山太郎という武士が江戸金龍山浅草寺へ奉還したので明治初年まで燈明料として金一朱が届いた。
御詠歌 たのもしや流れも清き大堂の大慈のちかい深き花水」

裏手には表情が素朴で味わい深い馬頭観音多数。
これらや堂内の絵から見て馬が頻繁に行き来してたことが推察できる。




尾根の上側には白山大神社。そして立派な神楽殿。



「白山大神社 キクリヒメノミコト&イザナギノミコト
句碑によれば、当村城山に清光の弟清泰城を構え、大宮多神社を修復して武運の祈願所とした時、
里民愛撫のため御祭神2柱を遷座して、社殿を建立し白山大神社と称し
縁結びの神、五穀豊穣を祈願したといわれる。4月18日の例祭日には神楽の奉納があって参拝者でにぎわう」

さらにこんな石碑も立っていた

「名所 富士見三景の一 花水坂
花水坂は釜無、尾白、大深沢の3川合流の地で川を挟んで
山桜の大樹数十株の花が咲き乱れ 水に映す花影の美しさは
富岳の眺望絶佳の名所富士見三景即ち花水坂、御坂峠、万沢の西行坂と、
その地名は高く賞賛された」


おやっ?
つまりここに古い神社やこんな石碑があるということは、
名所花水坂は、現在そう呼ばれている場所(台が原下から日野春に上がる県道。花水坂として遊歩道もあり)は
何なのだろう。
後日、現在の「はなみず坂」途中にある記念碑を見た所、
こちらの道自体は昭和30年代に開通したものということが分かった。(それでも馬頭観音等が傍らに立っている)
しかも、こちらはとても富士山の眺望が良い。
また少し坂を登っていくと、いくつか神社や古い集落もありこちらもまた歴史を感じさせる。

今回訪れた古い花水坂では残念ながら「往時の展望」は樹間越しにしか望めそうにない。
桜も目立って残ってはいない。

ただ想像するしか無いが、どちらが昔からの道なのだろうか。
それともこの周辺、釜無・尾白・大深沢川の分岐点を中心につながる2つの坂の
総称が「はなみず坂」 だったのだろうか。






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釜無七里岩むかし道

七里岩とは八ケ岳から流れ出た昔の土石流の末端、
韮崎から県境辺りまで伸びる20km以上にわたる断崖のこと。
春先は、自宅近くながら訪ねてなかったこの七里岩各所によく出かけていた。
最近は道路が接続されたものの、ずっと続く崖は昔から交通の障壁となり、
甲州街道は釜無川に沿って崖下に続き、崖の上には「はら道」が伸びている。
在住の人からは崖下の白州側を「段下」崖の上の小淵沢側を「段上」と呼んでいて
文化的、経済的にも 上下はあまりつながりが無かったらしい。
ここに住むようになって気になっていたのが在住の方から聞いた子供の頃の思い出話のこと。
「ループ橋ができるまでは、うちの集落から毎日1時間かけて小淵沢の駅まで出たものだ」
ループ橋を下に見る。なかなかの高度感。















ざっくりえぐれていてドキドキします



















…いったいどこを通っていたのだろう。これが一つの小さな謎だった。

数年前に何回か集落近くの目星をつけたポイントを探って見たときは
山中に導水路があったり、岸壁がトンネル状になってたりして面白かったものの
道は川に下るほどケモノ道化して
渡河ポイントは分からなかった。

で、今回、多分ここかな〜と思える道を発見。
つづら折りのしっかりした坂道が川に向かって伸びている。 しかも忘れられた道の傍らに
風情のある石仏たち。
大きいのは比較的新しい




















はにわを連想させるやさしいお顔



















さらに進むとお地蔵様も


しかし、この道もお地蔵様を経てしばらく行った先、川にかなり近づいた所で
道が崩落していてその先は分からなくなっていた。

対岸は護岸工事され、採石場になっていて多分昔の面影はない。
河川敷は大水があればその度に流路が変わるのでなおさら分からない。

 結局最後の最後は不明だったものの、
残っている道の様子は,人が行き来した面影を伝えていた。
今では猿と鹿のみぞ知る忘れられた道筋なのだが。

風情のある道がなるなるのは寂しい。




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