2012年4月24日火曜日

霧の入笠湿原にて



先日、入笠山に行き、湿原保全のボランティア活動に参加した。
作業内容はシーズン前の木道とその周辺整備ということで、
湿原に落ちた枯れ枝を湿原の縁に除去するのがメイン。
枯れ枝等が湿原に積もるのは
乾燥化したり、栄養豊富になったり、遷移をすすめてしまう要因になるので
湿原維持にとってはよくない 事になる。
あとは景観的にも。

濃い霧の中、木道を外れて湿原に足を踏み入れた。
場所によっては一歩進む度、じゅわつと水がしみ出す。


足下には妖しく顔を出した ザゼンソウがあったりして緊張する。
踏みつけた足跡の下には高原の植物たちが春の準備をしてるんだよな〜

あたりは霧が立ちこめ 、近くで作業している人もおぼろげ。
なんだか妙にどきどき。
禁断の地に足を踏み入れた背徳の心持ち…
 
昼前に作業は終了したが、
ふと気がつくと、
木の枝先についた雫がいつのまにか凍り始めている。

あとで見たら、風の通り道のモミの枝先はエビノシッポみたいに
氷の薄刃がいつのまにか成長していた。

モミもトキトキ 氷もトキトキ。
さわるとささやかなカシャッと音をたてて、
破片がぱらぱらと落ちていった。

帰り道、まだ残雪が残る車道沿いに、幻想的な光景を見つけた。

サルノオガセが凍てつきながら垂れ下がっていて、
ここはシベリア、アラスカか?
いつもはなんてことないカラマツ林も、
森のベールと霧のベールをまとい
えも言われぬ景色に 変貌していた。

10m先が見えない霧の中、
入笠山は春と冬と幻が入り交じっていた。









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2012年4月21日土曜日

森の交通安全週間

この数日めっきり、交通事故死が多い。
いきなり物騒な話だが、我が家近くのループ橋かいわいでの動物たちの話。
下の方に写真ありますが、嫌いな人はスルーして下さい。
下には寄った写真あり。嫌いな人は見ないでね

まずは一昨日タヌキ。
新潟に比べると、この地域ではなかなか見かけない里山の動物。
いない訳ではないのだが、このあたりではむしろ果樹好きなハクビシンを替わりに見かけることが多い。
その珍しいタヌキがループ橋のたもとのカーブで交通事故死していた。
多分、暖かくなって来て、土から出て来た蛙でも追っかけてたんじゃなかろうか。
…懐かしい。合掌。いそいそいそ。

続いて昨日はサル。
まだ若い。桜の花やいろんな新芽が出て来て美味しい季節。朝ご飯を食べにいく所だったんだろうか。
…こんなにサルがいるのに実は死体に出会うのは初めて。合掌。いそいそいそ。

そして今日はテン。
まだ冬毛が残っていてきれい。サルの現場と近い。見通しがあまり良くないのとスピードが出がちの場所なんだよね。そういえば冬期にスリップ事故を起こしやすいのもこのあたり。
…合掌。いそいそいそ。

動物たちの交通事故死を調べるのをロードキルと呼んだりしてるが、
何故この時期集中して見かけたんだろう。(発見は同時間帯)
人もけものも心浮き立つ春だから、なんだろうか。
謎はそのまま。
とりあえず、自分が轢くことは無いよう、今一度安全運転にこころがけよう。

…いそいそいそと彼らをひとまず道路脇によけておいた。
ひさしぶりに頭骨標本作ってみようかな。
めざといカラスにイタズラされないといいけど。
合掌。
合掌。



合掌。


noomは死体が好き。
語弊ありまくりな表現。
正確に言えば、動物たちの死も
非常に興味深い自然現象との出逢いと捉えている。
生きている野生動物を間近に観察することはとても難しいが
死体はそれを可能にしてくれる。
特に骨には強く惹かれる。

骨からはいろいろな事が読み取れる。
生物のデザインの合理的美しさ
その個体の生きてきた記録
その種の進化の歴史
そして生と死の境界についての考察。
だから、とてもおもしろい。

ちなみに、
生きて動いているいきものも、
もちろん面白い。












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2012年4月17日火曜日

春、さくら野行き

昨日は新潟から来てくれた、ばくばくさんたちと
毎年恒例のお花見にでかけた。



 とはいえ、我が家のまわりではまだ開花直後という状態、
今はちょうど神代桜が満開なのだけど、我が家風花見にはあまり適してないので
今回ははじめて北杜市内の須玉町ふるさと公園に出かけてみた。


こんな所に公園があったんだ〜という所に公園への進入路があり
先に進むと…閉まってる。8時半オープンとそこにも表示してあったのに…このとき10時
なぜ?と思いつつも入口前に駐車
 ネットで下調べした時は滑り台等がある気がしたんだけど
遊具が何も無いのは 期待はずれ。ここを特徴づける復元「のろし台」にも登れない。
自己責任で登れたらいいのに

そう、ここは戦国時代に若神子城と呼ばれた山城の史跡でもあるのだった。
「わかみこ」と呼びます。素敵な地名

今日は霞んでいたが晴れていれば高台なので富士山もきれいに見えるらしい。
広大な円形レンガ張り広場と不思議に立派な東屋が充実している。
藤棚も季節には見応えありそうだ。
溶岩?の藤棚

ここの桜は8〜9分咲きくらい、広場まわりに生えていてあまり数はなかったけど 、
こどもがはしゃぎまわってもまわりにご迷惑をかけない環境(昼まで貸切状態)
そして季節の花があればそれで充分です。
はなかっぱ風花見



春の草木を縫っておにごっこやかくれんぼ、
夏ではありません

広場でボールなげやフリスビーあそび、
深遠なる永遠の魅力

お弁当を食べ、(今回は山梨名物?「やまと」の弁当などなど)
わたしの花見

お茶をたて、(こどもには苦いが、お茶を立てるのはなぜか好き)
ながら流のお手前です
一応何でも飲んでみます

お菓子を食べ、
今気づいたが、古城址にて武田菱シャツで家紋ビスケットだった

のんびりとする時間。

平日だからか来場者は数組、ほぼ貸切で満喫





そのあとは帰り道、シェルパ斉藤さんのお店「チームシェルパ」に寄った
ここも桜がちらほら咲き始めてる。
手作り感と、人なつっこい雰囲気がとても素敵な場所だったが、
なかでも子供たちに一番フックしてたのが脇に流れる小さな川。

決して清流ではないのだけど、水面を小枝でぱしゃぱしゃ叩き
流れの脇に丁度できたうずに木を浮かべ、ぐるぐる回流させては笑い
ごみ(もといタカラモノ)をすくいあげては大喜び。
なぜに水辺は人を惹き付ける?

1.5歳児もやる気です
あぶないよ〜と口ではいいつつ、流れに任せて見ていたら
結局我が家のこどもは3人とも、落ちた。
汝、水のコワさと楽しさを知れ
 予想どおりで見事な展開 。
泣きが入る瞬間に「水辺は楽しいけど、気をつけないと危ないんだよ。」と
新春?初レクチャーができてこれもまた良し。
こういうのは繰り返し、身を以て伝えないと。

フリークライマーたち
完登のポーズ
泣き、入りました。またいこうね。

tooはよほど楽しかったらしく 、帰りたくないとだだこねて泣いていた。
帰り道すがら、なんだか今日一日でまた一段、各所の開花が進んだ気がする。
春がぐぐんと進んで来た。

我が家にとっての花見は季節を愛でる、風流というよりは、
春をみつけて、春をあそぶ ためのきっかけ。
だから毎年何回もいろんなお花見を楽しんでます。
つぎのお花見が楽しみです。

















そして大人は来年の相談。
来年こそは着物でお花見復活!を夢見るのだった。







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2012年4月15日日曜日

ばななばなにばななむし

夢にまで見た写真が撮れた。


というほどのものではないが 「ばなな」たちの競演をはじめて見かけた。うれしい。

 ツマグロヨコバイ。その黄色から黄緑色の体色と尾の先の黒のカラーリングから
子供たちにはバナナ虫と呼ばれている 。
触ろうとすると、名前の通りさっと横に移動する動作も面白い。
tooが触ろうとしたら別の枝に飛んでしまった。

先日の夕方のこと
「おとうちゃん、みて、ばななばな咲いてるよ。」
庭のレンギョウがようやく見頃になっていた。
我が家ではバナナの皮がむけたような姿から、「ばななばな」と呼ばれている。

 数日前、tooには「もう少し待ってな。花が開いたらいいこと教えてあげる」と
伝えていたのをしっかり覚えていたので「教えて教えて」とせがまれる
去年も教えたのにな〜と思いつつ、
充分に開いた花を一つ摘み、
高く持ち上げて



















ぱっと離す。

「うわ〜きれい〜」
ぜひおぼえてほしい欲しい春のあそび。
春色がきれいに落ちてゆく。

5歳のtooは今年は成功。
3歳のリホチはまだうまくできなかった。
来年もいっしょにやらなくちゃね。

くるくるばななばな







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2012年4月4日水曜日

小さな山と小さな滝散歩 後編


ランチは同じく茅野、大泉山の麓、
前から気になっていた多留姫の滝にゆく。

こどもたちはうずうずして
なんだかはしゃいではしゃいで止まらない
車を止めるて目と鼻の先に多留姫神社

多留姫は諏訪明神の子供にあたる神だそうで、
そのためか諏訪神社のように四方には御柱が立てられている。
神社から下をのぞくと、川かかる吊り橋と丸太の橋が見えて
さらにこどもたちのテンションあがる。

木の橋に立つと、森の奥にあるかのような
なかなか見応えのある滝。

滝壺も深そうで夏に水遊びしたら楽しいかも。

(でも上流は水田地帯なので、水は少し清冽とは言いがたい)
この日でも,親子一組すれ違ったくらいなので、
夏なら相当に人の視線が痛そうだ。

ここは昔は藤の名所だったらしい。
そして歌人の歌碑がたくさん建っている。
たしかに風情がある光景だ。
滝の良く見える、対岸の立派なあずまやで
ホットサンドランチ。

こう書くとなんだかゆったり優雅だけど
実際は幼児3人いれば
ぎゃーぎゃーさわがしくならないはずは無いのだった。

とはいえ徒歩5分のお気軽日だまりミニミニランチスポット、
とっても楽しかったのは間違いない。










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2012年4月3日火曜日

小さな山と小さな滝散歩 前編

昨日は家族で茅野へお出かけ。
まず向かったのは「山の彫像」を作っている
高田さんの工房見学。
山の彫像
陶土で作られた小さな日本の山たちが並ぶご自宅の小さな工房。
地図や写真、実際に山に登られて作られたというその作品は
地図のように正確では無いけれど、ああ確かにこんな山だったと思わせる
記憶の風景的正確さがあって素晴らしい。



同じ型から作る「槍ヶ岳」を見ても
細かい山ひだは手作業なので一つずつ違っている。
山肌に残る残雪が毎年全く同じにはならないようにもちろん、違っている。
何度も釉薬をかけて仕上げてゆくなかで
樹林帯をもこもこと見えるようにしたり
雪渓にクレバスが走っていたりするように工夫を試みていたり。
大きい作品はさすがに焼成時に思わぬ所にヒビが入ったりして難しいそうだ。
とはいえ「まな板」ぐらいのサイズの作品になると迫力も圧倒的にあがる。

















山は常に変わらずそこにあるけれど、
行くたびに違う表情を見せてくれる
普遍性と多様性
そんな、山の持つ魅力を表現している
非常に面白いコンセプトの作品だと思った。

さてこちらはじっくり見たいのにそんな心を知らず
子供たちはうずうずうずうず
陶芸の工房だけにこちらは気が気で無い。
奥さんには隣のご自宅でこどもたちを見て頂いて大感謝。
そして可愛い黒猫にはごめんなさい。
こどもたちの興味の的にされ、ほとんど常に
毛が逆立ってました。それでも追いかけまわす子供たち…
お騒がせしました。

今回は我が家からも見える「甲斐駒ケ岳」と大いに迷ったものの「北岳」を購入しました。
見えないけど、そこにある大きな存在感。ということで決定。
手のひらにのる日本第2の高峰、
なんだかくすぐったい気持ちになるんです。
パッケージには「雲」もかかっている

Carryも奥さんの作品が気に入り、購入しました。
こちらも素朴な表情がなんともいえません。


今現在は、時間が取れず「山の彫像」を作っていないそうなんですが
今後,また制作活動を復活したいということなので
大いに期待してます。
個人的には「八ケ岳」復活もいいけど(今回売り切れ)
少し大きくても「白峰三山」、そして「甲斐駒ケ岳から鋸岳」が
あったらいいなあ。





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